不調 2004年12月23日

果たして、大きな不安を抱えながら予定通り入院し手術を受けた。

全身麻酔から醒めた時の朦朧とした感じ。かすかに残る術野付近の痛み、心配そうに見る両親の顔と声。「ああ、終わったんだ」と意識するまで少し時間を要した感じだ。

これだけの手術だから、直後、いや、暫くは色々不調だろう。でも、点滴がくっついている以外は動けるし、頭が包帯で巻かれて煩わしいが痛みもそれ程無くこんなものかの感。

 

術後は5日間入院だが、毎日検診があり、検診の結果も特になにも無く順調に見える。

だが、包帯を取り、術野を塞いでいた脱脂綿やその他を取り除いて素の状態になった時、勿論素の状態といっても完治まで1~2ヶ月と言われるだけの術痕だから素ではないが、医師の言う感覚と全く違っていた。

 

聞こえるが、耳がずっと塞がっている。

この感覚は退院した今も変わらず、何とも嫌な感覚だが傷の回復とともに収まると言うし、予定外に手に入れた小金をどう使うか、退院祝いしてくれる友人との事や買った新車の納車が待ち遠しかったりと、ポジティブな事ばかり迫っていて落ちていられない。

公私共に色々有るから早くこの嫌な感覚から脱して100%の自分を取り戻したい、医師の見解との違いを訴えても「これだけの手術、若干の違いは当たり前」と一蹴された。

 

手術に際して、そのほうが治りが早いということから16の時から吸ってるタバコをやめた。勿論完治したらまた吸うつもりだが、激しい運動である趣味・ライフワーク活動にも良い筈だしね、変にストイックなところがあるからだが、激しい運動はもう暫くダメと言われているにも関らず、焦りからかウォーキングに出かけた。

といってもPC関連のパーツの買い物がてら往復で2km程度の距離。

入院最後の日にそれまでの空元気が嘘のように酷く脱力して、願わくば数日入院を延長したかったのだが帰宅してからも不調で、この買い物の時にそれが今まで経験した事の無いほどのものだと解った。

 

1km足らず歩いただけで息が上がり、なんと言ってもその店舗内の空間を異様に感じる。居並ぶ什器や商品をちゃんと認識できず、地に足が着いていないような浮遊感に包まれていて買い物どころじゃない。

何とか用事を済ませ自宅に辿り着いたが、これは普通じゃない、術野の痛みや不調はともかく、これはなんなんだ、俺はどうなったんだ・・・・言い知れぬ不安が胸の中にひろがっていった。

 

慰謝料 休養